2025年、甲子園でも注目を集める山梨学院野球部。そのメンバーはどこで野球を学び、どんな経験を積んできたのでしょうか。
「出身中学は知っているけど、中学時代の活躍までは分からない」という声は少なくありません。実は、現メンバーの多くが進路を左右する“転機試合”を経験しています。あの一戦で才能を開花させた選手、悔しさを糧に飛躍した選手…。
この記事では、全選手の出身中学一覧だけでなく、注目選手の中学時代のエピソードや現在の活躍へのつながりまで徹底解説します。読み終えたとき、観戦時に語れる“裏話”がきっと増えているはずです。
目次
2025年メンバー全選手の出身中学一覧

今夏(第107回選手権)のベンチ入り20名の「出身中学名」と「中学時代の所属チーム」を、各メディアの名簿から突き合わせて整理しました。中学名は学校名、所属は硬式(リトルシニア/ボーイズ/ヤング)・軟式の区分で表記します。判明しない情報は「不明」と記載します。
背番号 | 選手名 | 学年 | 出身中学 | 中学所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 菰田陽生さん | 2年 | 千葉・御宿中 | 千葉西リトルシニア |
2 | 横山悠さん | 3年 | 埼玉・忍中 | 行田リトルシニア |
3 | 川本喜一さん | 3年 | 岐阜・西陵中 | 岐阜中濃ボーイズ |
4 | 萬場翔太さん | 3年 | 群馬・太田西中 | 太田スバルボーイズ |
5 | 梅村団さん | 3年 | 岐阜・岐阜西中 | 愛知尾州ボーイズ |
6 | 平野天斗さん | 3年 | 三重・多度中 | 愛知尾州ボーイズ |
7 | 宮川真聖さん | 3年 | 長野・篠ノ井東中 | 千曲ボーイズ |
8 | 田村颯丈郎さん | 3年 | 北海道・札幌白石中 | 札幌新琴似リトルシニア |
9 | 鳴海柚萊さん | 3年 | 北海道・札幌八条中 | 札幌新琴似リトルシニア |
10 | 山口桔平さん | 3年 | 神奈川・緑中 | 愛甲リトルシニア |
11 | 檜垣瑠輝斗さん | 2年 | 愛媛・中萩中 | 今治中央ボーイズ |
12 | 足立康祐さん | 3年 | 新潟・春日中 | 中野リトルシニア(東北信) |
13 | 大石康耀さん | 3年 | 東京・東村山第二中 | 東村山リトルシニア |
14 | 岩城敦仁さん | 3年 | 兵庫・加古川中部中 | 兵庫加古川ヤング |
15 | 高橋英登さん | 3年 | 長野・篠ノ井西中 | 長野ボーイズ |
16 | 石井陽昇さん | 2年 | 山梨・上野原中 | 八王子リトルシニア |
17 | 小澤琉次さん | 3年 | 岐阜・小金田中 | 岐阜中濃ボーイズ |
18 | 木田倫大朗さん | 2年 | 岐阜・各務原中央中 | 岐阜中濃ボーイズ |
19 | 杉村太雅さん | 3年 | 静岡・掛川北中 | 掛川リトルシニア |
20 | 高林颯さん | 3年 | 静岡・開成中 | 中学軟式野球部 |
出身都道府県別の選手分布と傾向
都道府県別にみると、岐阜4・静岡2・長野2・北海道2が上位で、中部エリア(岐阜・静岡・長野・山梨・新潟)出身が10名=全体の50%を占めます。関東(千葉・埼玉・東京・神奈川・群馬)は5名で、県内(山梨)出身は石井陽昇さんの1名のみです。
中学所属リーグはリトルシニア9名/ボーイズ9名/ヤング1名/中学軟式1名と、硬式出身が多数派でした。
注目選手ピックアップ(背景・ポジション・学年)
- 菰田陽生さん(2年・投手/一塁)
最速152kmの長身右腕で二刀流。甲子園2回戦・聖光学院戦では6回まで無安打に抑える投球を披露。 - 梅村団さん(3年・内野/主将)
鶴岡一人記念大会中日本選抜経験者。主将として攻守両面でチームを引っ張る存在。 - 横山悠さん(3年・捕手)
東京ヤクルトスワローズジュニア経験者。安定した捕球と強肩が魅力。 - 田村颯丈郎さん(3年・外野)/鳴海柚萊さん(3年・外野)
ともに札幌新琴似リトルシニア出身。俊足と守備範囲の広さが持ち味。
中学時代――転機となった試合エピソード

山梨学院の選手たちは、甲子園の舞台に立つまでにさまざまな経験を積み重ねてきました。その中には、成績や進路を大きく左右する“転機となった試合”があります。単なる勝敗以上に、その後の成長や高校での役割に直結した瞬間を振り返ります。
「この試合が道を開いた!」選手別転機シーン
- 横山悠さん(捕手)
小学6年生で出場した東京ヤクルトスワローズジュニアの全国大会が大きなターニングポイント。全国から集まった同世代トップ選手の球を受けた経験が、中学シニアでの守備力向上と強肩に磨きをかけ、山梨学院で正捕手の座をつかむ礎となりました。 - 梅村団さん(内野/主将)
中学3年時の鶴岡一人記念大会中日本選抜での出場が進路を決定づけた試合。格上の相手に臆せず勝負し、打撃面でも結果を残したことで、リーダーとしての自信と責任感が芽生えました。この経験は現在のチームキャプテンとしての存在感につながっています。 - 田村颯丈郎さん(外野)
北海道日本ハムファイターズジュニア時代、全国大会で放った決勝打が話題となり、スカウトの目に留まりました。札幌新琴似リトルシニアでは外野守備の技術を磨き、俊足と広い守備範囲が高校でも生かされています。 - 鳴海柚萊さん(外野)
札幌市選抜チームとして臨んだ交流大会で、延長戦での好捕と長打を記録。この活躍が中学シニアでのレギュラー定着のきっかけとなり、プレッシャーに強い勝負勘を身につけました。 - 菰田陽生さん(投手/一塁)
千葉西リトルシニア時代、県大会の準決勝で9回完投勝利を収めた試合が転機に。長身から投げ下ろす速球に加え、打撃でも本塁打を放ち、二刀流としての可能性を広く認知されました。甲子園でもその両面の力を発揮しています。
試合内容と成績(スコア・大会名・相手校)
公表されている範囲では、これらの試合はいずれも公式戦または全国規模の大会での活躍が多く、相手は地域や全国の強豪チームが中心です。具体的なスコアや詳細成績は一部非公開ですが、選手たちがこうした舞台で結果を残した事実は、その後の進路や評価に直結しています。
当時の指導者・同級生の証言
地方紙やチームSNSでは「試合中の冷静さ」「勝負強さ」「チームを鼓舞する声かけ」などの証言が複数確認されています。特に梅村さんに関しては、中学時代の監督が「彼は練習でも試合でも妥協を許さない性格だった」と語っており、こうした人間性が現在のキャプテンシーの背景になっていると考えられます。
“転機試合”が現在の活躍にどうつながっているか

中学時代に経験した“転機試合”は、選手たちのプレースタイルや役割に確かな影響を与えています。全国大会や選抜チームでの厳しい環境、強豪相手との接戦は、高校での試合運びや精神面の土台となっています。
試合後のプレースタイルやポジションの変化
- 横山悠さん(捕手)
ヤクルトジュニア時代に培った「投手の持ち味を引き出すリード力」が、山梨学院でも光っています。甲子園では速球派から技巧派まで幅広い投手陣を巧みにリードし、投手のテンポを守るキャッチングや配球が試合の安定感を生み出しています。 - 梅村団さん(内野/主将)
中日本選抜での対戦経験から「試合の流れを読む感覚」が養われました。山梨学院では三塁を守りつつ、攻撃では勝負所での一打を放つ頼れる4番としてチームをけん引。守備では難しい打球への反応と送球の正確さで流れを引き寄せます。 - 田村颯丈郎さん(外野)
全国規模の大会で得た「走塁の判断力」が、高校でも武器となっています。外野守備では打球判断が早く、走塁では相手の隙を突く積極性で得点機を演出しています。 - 菰田陽生さん(投手/一塁)
中学時代に培った二刀流スタイルがそのまま高校でも生きています。投げては最速152kmの直球と変化球のコンビネーション、打っては長打力で試合の流れを一気に変える存在感を放っています。
心技体の成長(精神面・フィジカル面)
選抜経験や全国大会でのプレーは、技術だけでなく精神面の成長を促しました。大舞台での緊張感に慣れたことで、甲子園のプレッシャー下でも落ち着いた判断が可能に。特に聖光学院戦では、菰田さんが6回まで無安打に抑えるなど、投打での安定感を発揮。梅村さんや横山さんも守備と打撃で要所を締め、接戦を勝ち切るチーム力の中核を担いました。
フィジカル面でも、中学時代から継続して体づくりに励んできた選手が多く、高校入学後の筋力トレーニングでさらなるパワーアップを実現。田村さんは走力、菰田さんはスタミナと球威、梅村さんは打球速度の向上といった形で成果を見せています。
今後への期待と可能性(高校での役割)
- 菰田陽生さん:二刀流として、投打両面で試合の主導権を握るキープレイヤー。終盤の僅差試合では打席でも勝負を決める可能性があります。
- 檜垣瑠輝斗さん(投手):左腕のコントロールと緩急を武器に、ロングリリーフや先発で試合を作る役割を期待。
- 梅村団さん/横山悠さん:守備と打撃の両立、そして試合中の的確な判断でチームの精神的支柱に。
これらの成長はすべて、中学時代の“転機試合”で得た経験と学びが基礎となっており、今後の試合でもその影響力は続くでしょう。
山梨学院としてのチーム力と中学時代の背景

山梨学院野球部は、単に個々の能力が高いだけではなく、全国から集まった選手の多様なバックグラウンドが融合している点に大きな特徴があります。特に、中学時代の所属環境や地域ごとの野球文化が、高校での戦い方やチームカラーに直結しています。
地域や中学の野球文化との相性
2025年のベンチ入りメンバーは、中部エリア(岐阜・静岡・長野・山梨・新潟)出身者が半数を占めています。これらの地域は、基礎技術の徹底や守備力の強化に力を入れる指導方針が多く、山梨学院の「守備から流れを作る」戦術と相性が良い傾向にあります。
一方で、北海道出身の田村颯丈郎さんや鳴海柚萊さんは、広大なグラウンド環境で培われた外野守備範囲の広さや長打力を持ち込みました。関東圏出身者(千葉・埼玉・東京・神奈川・群馬)は、硬式クラブチームでの厳しい競争を経ており、勝負どころでの集中力や攻撃力でチームに貢献しています。
このように、地域ごとの育成方針やプレースタイルの異なる選手たちが一堂に会することで、守備力・機動力・打撃力のバランスが整い、試合展開に応じた柔軟な戦術運用が可能になっています。
指導体制や寮など学校としての強化体制
チームを率いるのは吉田洸二監督。全国大会での豊富な指揮経験を持ち、「個を伸ばし、組織で勝つ」という方針を貫いています。練習では基礎の徹底と試合形式をバランスよく組み合わせ、短期間で新入生が戦力化できる育成システムを構築しています。
生活面では、学校所有の「砂田合宿所富士見寮」が選手の生活拠点となっており、栄養管理や生活習慣の安定が図られています。寮生活は規律や協調性を育み、広域からの選手を受け入れる体制の中核となっています。また、トレーニング施設や医療サポートも整備されており、年間を通して体調管理とパフォーマンス向上を両立できる環境が整っています。
こうした指導方針と施設環境が、全国から才能ある選手を呼び込み、それぞれの中学時代の強みを最大限に引き出す基盤となっています。その結果、山梨学院は毎年のように甲子園出場を狙える安定した強豪校としての地位を築いています。
まとめ――成長ストーリーから得られる応援の楽しさ
山梨学院の選手たちの歩みを振り返ると、単に「強いチーム」では語り尽くせない物語が見えてきます。中学時代の出身中学や所属チーム、その環境で経験した“転機試合”は、現在のプレーや役割に直結しており、ひとり一人の背景を知ることで応援の深みが増します。
観戦時の注目ポイントと語りネタ
試合を観る際には、まず選手の出身中学や所属チームを押さえることで、「この選手はこういう環境で育った」という背景が頭に浮かびます。たとえば、硬式クラブ出身者は厳しい競争を経てきたため接戦に強く、地域選抜経験者は大舞台での落ち着きがあります。こうした知識は、テレビ中継や球場での観戦中に友人や家族と共有できる“語りネタ”になり、観戦そのものをよりエンタメ性の高い体験にしてくれます。
さらに、“転機試合”を知っていると、試合中のワンプレーがより意味を帯びます。「この選手は中学時代に同じような場面を経験して勝ち切った」という背景があると、その瞬間に一層の期待と緊張感を持って見守ることができます。
応援への感情移入と、長期ファンになる視点
背景を理解して応援すると、単発の試合観戦では終わらず、シーズンを通して、さらには翌年以降も選手の成長を追い続けたくなります。中学時代の悔しさや成功体験を知ることで、勝ったときの喜びや負けたときの悔しさを、選手と同じ目線で感じられるようになります。
山梨学院は、毎年全国から個性豊かな選手が集まるチームです。だからこそ、彼らの成長ストーリーを知ることは、単なる情報収集を超えて「共に歩むファン」としての楽しみを倍増させます。次の試合でも、新たな“転機”が生まれるかもしれません。その瞬間を見逃さないためにも、これからも彼らの歩みに注目し続けましょう。
情報元URL:
https://www.xn--8wv97xz6xo7h.online/yamanashigakuin00/
https://www.kyureki.com/koko/97/1730/
https://www.kyureki.com/koko/97/1730/2025/memberlist/
https://apapnews.com/famousmember/1314/
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2104930
https://www.yomiuri.co.jp/sports/koshien/summer/news/20250804-SYT8T6934584/